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更新日:2009年3月18日

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書名:Helvetica forever ヘルベチカ・フォーエバー
Helvetica forever ヘルベチカ・フォーエバー

著者 Victor MalsyLars Muller 著/小泉均 日本語版監修
出版社 ビー・エヌ・エヌ新社
ISBN 978-4-86100-633-3
発行日
2009年2月8日
価格 5,184円
(本体4,800円+税)
仕様 B5判/160頁
分類 その他
 あー、この本は、んー、あー、んー……やーやっぱダメだ、この本について私が言うべきことは無い、何もありません。ただ単に、こういう本が出ていると紹介するだけです。

 ヘルベチカというのは、……いやこれもデザイン筋の人には言うまでもないことだし、その筋でない人にはオタク話と同様べつだん価値のないことだし、どっちを向いても私なんぞがしたり顔して話すことではないんですが……ヘルベチカというのは欧文書体のひとつで、サンセリフ、つまり「ひげなし」フォントのひとつです。サンセリフ書体も数々ある中で、特にヘルベチカはシンプルなデザインで非常に使いやすい。大きくしても小さくしても、細くても太くてもいい。他の書体には多かれ少なかれ、ほらほらデザインしたぞみたいな、どうだこのカーブどうだこのバランスみたいな、これがタイポグラフィという藝術でありますぞむははははみたいな自己主張があるんだけど、ヘルベチカにはそういうのがなくて、どんな場面で使ってもどんな色にしてどんな絵柄と組み合わせても、すっきりとまとまるのです。
 や、「無難にまとまる」ではないんです。自己主張がないといっても個性がないわけではなくて、シンプルな中に崩しがたい絶妙のバランスがある、それがヘルベチカの凄さです。「磨きぬかれたシンプルさ」というか、「無色透明の虹」というか、「無心の境地」というか、じっと見ていると、ううむ人間もこうありたいものだ、などと考えたりすることがあったりもします。

 で、そういうヘルベチカという書体が作られる過程、1956年から65年にかけての話を、当時のディレクター、エドアード・ホフマンの残したノートを中心にまとめたのが、この本です。初期のデザインからひとつひとつ見本刷りが他の書体と並べて貼り付けてあり、ホフマン自身のコメントやデザインを担当したマックス・ミーディンガーの意見や、他のデザイナーに見せて言われたこととか、みっちりメモが書き込まれている。

 ああ私にはこういう物づくりができるかなあ、したいよなあ、しなきゃなあ。



書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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