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更新日:2008年10月1日

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書名:Trac 入門
Trac 入門

著者 菅野裕今田忠博近藤正裕杉本琢磨
出版社 技術評論社
ISBN 978-4-7741-3615-8
発行日
2008年9月18日
価格 3,110円
(本体2,880円+税)
仕様 単色刷/B5変型判/272頁
分類 プログラミング(その他)
 「Trac」というのは、……もとはtraceかな、あ、違った、trackだ、Issue (Bug) Tracking Systemと表紙に書いてある、ということは「トラック」と読めばいいんでしょうね……、簡単に言うと、バグの発生・修正の履歴を管理する開発支援ツールです。

 バグを作ろうとしている人は誰もいないはずなのに、しかしどういうわけだか、ソフトウェアを作ると必ずバグができますね。私の経験だと、プログラムを10行くらい書くとたいていなんかひとつ間違っています。たいていはセミコロンが抜けてるとかいった些細なミスで、すぐコンパイルエラーになって見つかるのでバグのうちには入りません。エラーにはならないが結果がおかしくなるミスとか、特別な場合にだけ結果がおかしくなるミスとか、ゲームの敵キャラといっしょで、後になって出てくるバグほどおおむね厄介です。けどまあいずれにしても私の作るソフトはたいした規模じゃないので、というより作成もテストも自分一人でやっているので、バグが見つかるといっても一度にひとつやふたつ、見つかったそのときにそのつど修正してから次へ進むというやりかたで十分です。
 が、世間一般のソフト開発プロジェクトはもっと大規模ですからね。何十人・何百人が並行して作成・テストを進めていれば、当然それだけ多数のバグが同時に見つかるし、修正作業中も他の部分の作成は進んでいくし、現時点でどういうバグが見つかっているのか、修正は済んでいるのか誰が修正しているのか、そういったマネージメントが絶対に必要になります。ある部分の修正が他の部分に影響する場合もあるし、修正しないでやり過ごす場合だってあるし、過去の修正がなんだったか調べる必要もときには出てくる。なにより大切なのは、開発チーム内で情報を共有できること。

 そんなわけでこの本では、Tracのセットアップ、バグを登録し担当者を割り当て修正したらそのことを記録するという一連の使いかた、プロジェクト全体の進捗管理への応用、Subversionによるソースコード管理と組み合わせる使いかた、Tracをうまく使っていくためにどういうことをしたらいいかというプラクティス、……といった感じでTracについてひととおり解説してあります。
 チーム全体で使うツールなので、この本を読んですぐ自分の役に立てられるような立場の人は少ないと思います。もっとも、まずたいていのプログラマはTracを、少なくともTracと同じようなツールを必ず使うことになります。将来ソフト開発に携わるつもりの人は、一生一人でソフト開発していくつもりだとかいうなら別ですが、軽く読んでおいて損はないことでしょう。



書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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