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更新日:2008年6月11日

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書名:日本語教師のための Excelでできる テスト分析入門
日本語教師のための Excelでできる テスト分析入門

著者 小野塚若菜島田めぐみ
出版社 スリーエーネットワーク
ISBN 978-4-88319-466-7
発行日
2008年5月26日
価格 2,052円
(本体1,900円+税)
仕様 単色刷/A5判/199頁/CD-ROM 1枚
分類 コンピュータ一般(教育)
 また畑違いの専門書に手を出してしまいましたが、「日本語教師」というのはまたなんとも特徴的なキーワードですよね。つまり「国語教師」とは違う、日本人に日本語を教えると「国語」で外国人に日本語を教えると「日本語」になる、なぜだかそういう使い分けをするんですね。
 そういや私が高校のたしか2年生になったとき、最初の国語の授業で「国語の授業について思うところを言え」とかいうことで、私は「国語であって日本語でないのはどういうことだ」とかなんとか言った覚えがあります。まあ生意気盛りのころですからたいした意味はなかったに違いないんだけど、しかしいま振り返ってみて、編集者として他人の書いた文章をきちんと書き直す仕事をしながら思うことは、オレほんとに情けないくらい日本語を勉強してきてないなあ、ということです。たとえば「は」と「が」の違いを説明できない。原稿に「コンピュータは」と書いてあっておかしいのを「コンピュータが」に書き直すときに、その理由・根拠を文法として説明できなかったりする。まあそもそも原稿を書いた人も私と同様に日本語を勉強してきてないわけで、説明を求められたりはしないんですが、やっぱかなり情けないです。
 この本の読者、日本語教師の皆さんはきっと説明できるんでしょうけどねえ。

 と、そこでこの本ですが、重点は日本語教育ではなく、Excelとテスト分析です。日本語教育の場でよくあるに違いないテスト、コースのはじめに受講者の日本語力を確かめて適切にクラス分けするためのプレイスメントテストや、受講者の上達程度を確かめたりそこから逆に教師の能力を計ったりする定期テストを取り上げて、集計や分析にExcelをどう使うか、という話になっています。が、テストの中身はあんまり出てこない、出てくる人名がサマンサとか柳とかイボンヌとか金とかいうだけで、語学はもちろんどんな科目のテスト分析にも適用できそうな、やさしい統計分析の解説書みたいな感じ。
 やさしいというか実用的だよな、分散が小さいということは受講者のレベルがそろっているのだとか、相関が小さいということは教師どうし評価基準のすりあわせが足りないのだとか、計算した統計値が何を表しているのかをグラフとともに解釈してみせているからよく納得できる。初歩の統計が身に付くという意味では、そこらの統計学の入門書より役に立つかもしれません。
 Excelの解説書としては、んー、こんなもんかな。一貫した事例に即して操作方法を説明しているのでやりやすいだろうとは思うけど、他の場面に応用が利きやすいかというとちょっと心もとない。あ、でも、これはさっきの統計の側面と同じだ、初歩の表計算が納得できて身に付くという意味で言えば、かなりよさそうな感じです。

 というわけで、私としてはこの本、日本語教師以外の先生方も読んで、テスト分析に役立ててもらうといいと思います。特に、国語教師の方々には読んでいただきたい。……あんまり意味ないか、けど、国語教師は日本語教育に興味を持ったほうがいい、子供に国語ではなく日本語を教えることを少し考えてみてほしい、と、私は思います。



書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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