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更新日:2005年8月3日

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書名:スーパーコン甲子園
スーパーコン甲子園

著者 松田裕幸渡辺治
出版社 日本評論社
ISBN 978-4-535-78433-8
発行日
2005年6月20日
価格 2,160円
(本体2,000円+税)
仕様 A5判/190頁
分類 コンピュータ一般(教養・読物)
 東京工業大学で1995年以来毎年、「スーパーコン」というイベントを開いているそうです。全国の高校生のなかから予選を通過した10チーム30人ぐらいを招待して、1週間ぐらいのあいだスーパーコンピュータを使ってプログラミングの課題に挑戦してもらう、というコンテスト。
 この本は、10年間の出題内容やその解説、挑戦者たちの挙げた結果やエピソードなどをまとめた読み物です。読み物といってもドキュメンタリーや小説みたいな「読ませる文章」ではなくて、つまり理工学書の読み物ということだな、文章ではなく中身が面白い、という本です。
 出題される課題はたいてい、いわゆる数理パズル的な感じです。単純に解いたらスーパーコンピュータでもできないような膨大な計算を、うまい理論とアルゴリズムで計算量を抑えて解こうという課題で、ナップサック問題とかライフゲームとかシュナイダーツリーとかN体問題とか、その筋の人にはおなじみの問題が顔を出します。

 ところで、ここ数年というもの、中国や韓国やタイやシンガポールの高校生チームをこのコンテストに招待しているんだそうです。各国で選抜されてきた子たちだからもちろん優秀で大健闘しているんですが、その子たちの中からぜひ日本へ留学したいと言い出す子も出てきているんだそうですよ。まあたしかに、高校生で自分の能力を認められ招待されて日本の高校生たちと腕を競う、そんな経験をすればまずたいてい親日家になりますよ。東アジア各国で反日感情が高まっているなかで、小さくてもこういう話があるとほっとします。
 逆に考えると、過去の経緯もさることながら、こういうような、親日家を作っていく努力が足りなかったことが今の反日感情につながっている、という言いかたもできるんじゃないでしょうか。武力を放棄したのだから、それ以外のありとあらゆる努力をしなきゃいけないのに。……ま、私なんぞが言う話じゃないと思うけど。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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