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更新日:2004年9月8日

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書名:Webアクセシビリティ JIS規格完全ガイド
Webアクセシビリティ JIS規格完全ガイド

著者 安藤昌也 監/アライド・ブレインズ
出版社 日経BPマーケティング
ISBN 978-4-8222-1486-9
発行日
2004年7月8日
価格 4,011円
(本体3,714円+税)
仕様 単色刷(一部カラー)/B5変型判/256頁
分類 情報通信(インターネット:HTML)
 昨今「バリアフリー」というのが社会的目標のひとつとして重視されていますが、Webに関しても高齢者や障害者にも支障なく使えるWebサイトを作るためのガイドラインとして、JIS X 8341-3、通称ウェブコンテンツJISが今年の6月に制定されたそうです。自治体や公共団体など高齢者や障害者にも読んでもらわなければならないWebサイトはこの規格に従うことになるわけで、私もいささか気にはしながら積ん読状態だったのですが、たまたま知り合いが読んだというので、どうだったか聞いてみました。

 えーと、まずとにかく、読んでる途中で飽きた、ということです。
 規格の内容については第1章の70ページぐらいでほぼ説明が済んでいて、第2章と第3章は要するに具体例を示しての解説なんだけども、そこで、つまりは同じことを何度も何度も何度も言われるので飽きると、そういうことだそうです。
 それと、ウェブコンテンツの意味が意外に広く捉えられていること、ふつうのWebサイトだけでなくオンラインヘルプなどもこの規格の対象になることにはちょっと驚いたと、……あーでもこれは彼の個人的な驚きだな、たしかこのあいだ、なんかのマニュアルをHTML形式で作ったとか言ってたし。
 そして、この本この規格が言っていることは実にもっともなんだけど、こうこうこういうことをすると伝わらない場合があるからそれをしてはいけない、という論法で、どうも素直にうなずけないところもある、そうです。たとえば音の使用について、ホームページで音を鳴らすと聴覚障害者にはその情報が伝わらない・だから音を使うな、音を鳴らすと音声読み上げソフトのユーザーが困る・だから音を使うな、という具合。ここまではまだ納得できるけど、音を鳴らすと図書館など静かな場所で使っているユーザーが困る・だから音を鳴らすな……とか同じ調子で書かれていると、そりゃユーザの問題だろボリューム絞れよ、と言いたくなりますね確かに。

 コミュニケーションは発信者と受信者がいて成り立つので、誰に伝えたいかを発信者が意識することが大事ですよね。本作りで言うと、まず最初に読者はどういう人なのかを想定すること、そこをきっちりやらなきゃ後で何をどうしたって気の抜けた本にしかならないんです。
 障害者や高齢者を意識してWebサイトを作るためにこの規格この本を参考にする、というならいいけど、単に規格ができたからそれに従う・従え、というような風潮になったらつまらないよなあと、そんなことを思いました。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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