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更新日:2004年6月21日

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書名:田尻智 ポケモンを創った男
田尻智 ポケモンを創った男

著者 宮昌太朗田尻智
出版社 太田出版
ISBN 978-4-87233-833-1
発行日
2004年3月4日
価格 1,512円
(本体1,400円+税)
仕様 単色刷(一部カラー)/A5変型判/200頁
分類 ゲーム攻略(専用機:全般)
田尻智という名前を知らなくても「ポケモン」を知らない人はほとんどいない。TVアニメ、マンガ、ゲーム、映画、様々なキャラクター商品、そういえばANAの機体にもポケモンが描かれたことがあった。実は私はこの本を読むまでポケモンについて誤解していた部分があった。私はてっきりポケモンって、マンガで人気→アニメ化→ゲームボーイのソフト発売、というよくあるパターンの人気の出方だと思っていたのだが、まったく違っていた。1990年頃に「カプセルモンスター」というゲームの企画書を田尻さんが書き、ゲームボーイ用ソフト「ポケットモンスター赤」「緑」が発売されたのが1996年、発売と同時に小学館のコロコロコミックで連載開始、1997年にTVアニメ「ポケットモンスター」を放送開始、という順序だったのだ。企画から発売まで5年もかかったポケモンは、単なるゲームに留まらない大きな世界を作ってしまったようだ。
私はあまりポケモンは好きではなかった。カプセル怪獣といったらウルトラセブンのウィンダム、ミクラス、アギラが元祖だと思うが、これらはあくまで補助の役割。戦うのはセブン自身だ。ところがポケモンはカプセル内のモンスターをただひたすら戦わせる。人間は「トレーナー」という役割だ。それはちとずるいのではないか、と思っていたのである。しかしそもそもゲームとしての設定なら理解できる。こんな絶妙なゲーム体系を田尻智という人はどうやって作り上げることができたのか。彼へのインタビューをまとめた本書にその秘密を解き明かす鍵があるのだ。
ポケモンが生まれた背景を知るために、田尻さんの子どもの頃からのエピソードを読んでいくと、昭和30年代生まれには懐かしいキーワードが多数登場する。インベーダーゲーム、BCL、電子ブロック、新造人間キャシャーン、レインボーマン……。インベーダーゲームは街中の喫茶店に繁殖し、喫茶店やゲームセンター以外にもちょっとした隙間を見つければ、すかさずそこにも入り込んでいった。そんな街の様子や自分が夢中になった当時の遊びを久しぶりに思い出すことができた。
ポケモン好きの子ども向けの本ではない。しかし、ポケモンの初期段階での企画書の一部やゲーム画面の絵コンテ、さらに田尻さんによるゲーム情報誌「ゲームフリーク」の創刊号(手書き、コピー、ホチキス留め!)も完全掲載されているので、これはポケモンファン、田尻ファンなら絶対に買いの一冊だろう。


書評者: 関 裕司 <>

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