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更新日:2003年5月9日

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書名:ネット告発 企業対応マニュアル
ネット告発 企業対応マニュアル

著者 ネットワーク・セキュリティ研究会
出版社 マイナビ
ISBN 978-4-8399-0872-0
発行日
2003年3月20日
価格 1,728円
(本体1,600円+税)
仕様 単色刷/A5判/280頁
分類 情報通信(インターネット:その他)
 東芝クレーマー事件をご存知だろうか?この事件はある一人の男性が東芝に対してクレームを発した事から始まり、ゆくゆくはその男性に東芝の顧客担当係が暴言を吐き、それが音声ファイルとしてホームページ上で公開されるという大きな話題となった事件である。事件の経過を見る限り、この事件による非は明らかに東芝側にあるのだが、ホームページで公開されてからの東芝の対応のまずさが、この事件をさらに大きくし、とうとう隣国の韓国でも報道されるまで膨れ上がっていった。最終的には東芝が謝罪する事で事件は急速に終結していくが、この事件により企業側はインターネットが持つ特異な力に恐怖を感じた事だろう。このようなネットによる消費者や個人からの告発は新しい形なので、今までのような対応では通用せず、新しい対応策が必要となってくる。本書は、そのネット告発に対する企業対応策について考え、提案している本である。企業がネット社会を生き抜くために不可欠な一冊といえるだろう。
 その本書の内容は、ネット告発の現状と実相の解説から始まり、実際にあった事件(東芝クレーマー事件を含む)6つを具体例として取り上げ、ネット告発の対応策をあげていく。前半部分の解説だけよりも、やはり後半の事件から得られる対応策のほうが、「ネット告発」の流れと実態がイメージしやすく、また対応策も明確になっていると思う。本書で取り上げた6つの事件は企業等の対応の失敗もあるが、告発に対して上手に対応し、事件を未然に防いだ例も載っていた。その成功例では、企業側が一貫した毅然とした態度が印象的だった。どのようなクレームに対しても毅然とした態度で、しかも早急に対応する事にかわりはないという事だ。本書でも「問題解決が暗闇で行われてはいけないこと、解決の結果が公表することができるように徹底した透明性を持つこと、原則は絶対に踏み外さず、毅然たる態度で臨むこと、しかし自らの非は非として認める勇気をもって対処すること」が必要と明言している。
 ただ本書でも取り上げている「匿名掲示板における企業攻撃」についてはまだまだ大きな問題が含まれている。ネットの誕生により消費者は、企業の圧倒的な力に対して大きな武器を手に入れたが、匿名という仮面をかぶって企業を攻撃するようでは、企業を疑心暗鬼にさせるだけだ。この匿名による誹謗中傷を含め、ネット上での発言に対しては新たな法制度が早急に必要だ。このままではいずれネットの世界が虚栄と嘘の世界になっていってしまうように思う。


書評者: YAS <関西地区某パソコンショップ バイヤー>

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