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更新日:2002年10月9日

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書名:プロバイダ責任制限法解説
プロバイダ責任制限法解説

著者 飯田耕一郎 編著
出版社 三省堂
ISBN 978-4-385-32188-2
発行日
2002年9月12日
価格 1,944円
(本体1,800円+税)
仕様 単色刷/A5判/174頁
分類 コンピュータ一般(教養・読物)
 今年の5月から「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」という法律が施行されています。通称プロバイダ責任制限法、要するに、ネットワーク上の公開の場でプライバシー侵害や名誉毀損にあたる発言が行われたときに、その場を管理する立場の人はどうすればよいか、という法律。その法律について、森綜合法律事務所の弁護士さん5名が書かれた解説書です。
 私もニフティで「パソコンの本フォーラム」という公開の場を運営していて、この法律に直接かかわる立場なんで、ぜひ読んでおかねばと思って取り上げました。

 ……とは言ったものの。
 要するに「法律の本」だからでしょう、私にはどうもよくわからんです。とても批評するほど読みこなせない。いちおう内容については……
(略)
本書では、第1章で本法制定の必要性と経緯について述べ、第2章で法律の内容を詳しく説明し、第3章で外国の同種法規との比較および適用関係について論じ、第4章で具体的な事案における対応を解説しています。
(以下略)
……と前書きに書いてあり、第1〜2章では「2ちゃんねる事件」「宴のあと事件」「京阪電鉄置石事件」「速読本舗事件」「タウンページ事件」などさまざまな判例の解説が盛り込まれていて、第3章ではアメリカ/EU/イギリス/ドイツ/オーストラリアの関連法制度の概要が解説されていると、それぐらいまで紹介すれば十分でしょうけれど。

 私に身近なニフティでの事件なんかも取り上げられているんだけど、やっぱりなんか「入り込めない」んですね。
 とりあえず、微妙に見慣れない言い回しがぞろぞろ出てくるので、文章を読んでから理解するまでにちょっとずつ疲れます。たとえばそもそも「責任を制限する」というのがね、私の負っている責任が他人によって制限されるというのはどうも語感として納得しにくい。「プロバイダ等の責任を他者が追及することを制限する」とか言えばすなおな語感になるので、そういう意味だと考え直してようやく文意を把握するという繰り返しなので、なかなか読み進みません。
 まあたぶん、パソコン初心者がパソコンの本を読んでさっぱりわからないと言うのは、これと似たような気分なんでしょうね。

 もひとつ入り込めない感じがするのは、なんというか、法律の話ばかりで「人間」が見えてこない気がするのですよ。世の中は人間と人間と人間でできているのに、人間は人間のために考え人間のために行動しているはずなのに、人間が主で法律が従であるはずなのに、法律のことを考えているとやはりいつのまにか逆になってしまうみたいです。

 法律の専門書はそれでもいいかもしれないけど、世の中全体に、法律があるから考え法律があるから行動するような傾向があるのはイヤですねえ。
 「パソコンの本フォーラム」はその傾向に流されないようにしたい、参加者がお互い人間として考え行動する場にしたいと思っているのですが。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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