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更新日:2002年10月7日

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書名:Webサイト ユーザビリティ入門(第2版)
Webサイト ユーザビリティ入門(第2版)

著者 Carolyn SnyderJared M. SpoolTara ScanlonTerri DeAngeloWill Schroeder 著/篠原稔和 監訳/三田仲人
出版社 東京電機大学出版局
ISBN 978-4-501-53190-4
発行日
2002年7月8日
価格 2,592円
(本体2,400円+税)
仕様 単色刷/B5変型判/167頁
分類 情報通信(インターネット:HTML)
ウェブサイトのユーザビリティといったらヤコブ・ニールセン氏が有名だが、あまり彼の著作ばかり読んでいると偏った思想を植えつけられるんじゃないかと思ってこの本を開いてみた。著者のJ.M.スプール氏はユーザビリティ業界でも有名らしい。丁度よい。ところが本書が書かれたのは1997年、日本で第1版が出版されたのが2000年である。ドッグイヤーのウェブ界でこの古さは致命的かと思ったが、いやいや、ユーザビリティという点では我々は5年前からちっとも進歩していないことが確認できた。

ヤコブ・ニールセン氏の場合は非常に論理的かつ大胆に「これはダメ」と言ってのけるのだが、その裏にはきっと膨大な量のユーザビリティテストの結果があるのだろう。本書はそのユーザビリティテストそのものに焦点をあててレポートしてくれる。初めて見るサイトを前にして、ユーザたちは課題解決のためにどのような行動を起こすのか。これは多少意地悪だが、見ている方はいらいらし、わくわくする。

こんな経験はないだろうか。自分が作ったサイトはどこに何があるのか100%熟知しているので、目的のページを探すのは実に簡単で常に最短距離でたどり着く。あるとき友人が私に「○○○のサイトを見たいんだけど」と言ってきた。私は「俺のサイトからリンクされているから、そこからたどりなよ」とだけ答えて彼をコンピュータの前に座らせた。彼の肩越しに画面を見ていたのだが、何度彼からマウスを奪おうと思ったことだろう。彼は関係のないページばかりブラウズし、結局目的のページを見つけられず、とうとう立ち上がって私にコンピュータを操作するよう言ったのだった。

私がぼんやりと思っていたことは本書によって確信に変えることができた。ユーザは画面に書かれた文字をすべて読んでいるわけではない。ただ「ざっと見ている」にすぎない。意味が近いものが見つかれば、それ以降は見ようとしない。間違ったページを開いていることに気づかない。何度も同じ間違いを起こす。長時間使っていても「慣れる」ということがない。明日、もう一度彼をコンピュータの前に座らせても、きっと彼は同じ道筋をたどって私のサイトの中で迷子となってしまうだろう。

では、サイトを構築する側はどういった点に注意すればいいのか、その答えの一部は本書で見つけることができる。すべてが解明できているわけではないが、見ないよりは何倍もまし。必見の書だと思う。それにしても5年も前に書かれたものがいまだに生き生きとして今回第2版が出るとは、ウェブの難しさを物語っていると思わないか。


書評者: 関 裕司 <>

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