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更新日:2002年4月24日

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書名:メディアの技術史
メディアの技術史

著者 齋藤嘉博
出版社 東京電機大学出版局
ISBN 978-4-501-53010-5
発行日
1999年6月20日
価格 2,484円
(本体2,300円+税)
仕様 A5判/220頁
分類 コンピュータ一般(教養・読物)

 「温故知新」
 ……はてな、ちょっと違うかもしれないな、まあとにかく、インターネットというメディアによってコミュニケーションの様相が爆発的に変わりつつある現在、メディアとコミュニケーションの将来を見通すために過去を振り返ってみようという趣旨の本であります。
 ……あれ、いまついうっかり「現在」と言ってしまったけど、この本が出たのがすでに3年前で、さらに内容はもともと著者が武蔵野美術大学映像学科で教えておられたときの講義録をまとめたものだそうですから、この本の「現在」は私らにはすでに過去であって、この本の「将来」は部分的に私らの過去であり現在であり将来であり、うむー、これはややこしいことになったぞ。
 ……まあ、大勢には影響ないのか、この本で主に取り上げている「過去」の話は私らにとっても過去であるのだし、それに、歴史に学ぶというのは個々の事実を見ることではなく大局的な流れを見て法則性を見つけることなんだし。

 そんなわけで、コミュニケーションを支える技術の変化とそれによるコミュニケーションの変化、メディアの技術史とコミュニケーションの人類史を概観する内容になっています。

 スペイン・アルタミラ洞窟の壁画をはじめとしてさまざまな絵画、ヒエログリフや甲骨文字、音楽と楽譜、紙と印刷と活字と輪転機、写真と蓄音機、映画、電信と電話に通信衛星、ラジオとテレビにVTR、そしてコンピュータとパソコンとインターネット。

 通信と交通、つまり情報を伝えることと人が行き来することをどちらもコミュニケーションの一側面と捉える考えかた、それから、武蔵野美術大学での講義というところで、つまりコンテンツ制作者の視点が感じられるあたりは面白いです。

 まあそのちょっと、なんだな、個々の事実に関する記載は、かなーり間違っているかもしれませんですね。
 正誤表が入っていたけどビル・ゲイツとスティーブ・ジョブスを取り違えているし、そのほかコンピュータの範囲で見ると、C言語が「C+」を経てC++に発展したとか、ネットワークで「チャタリング」を楽しむとか、小さな間違いがかなりあります。他の分野ではこの程度の間違いがあっても私にはわからないので、間違っているとは言えないけど、とりあえず私としては、この本で知ったことは鵜呑みにできない、他に裏付けを探さないとならないだろうなと思います。



書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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