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更新日:2001年6月13日

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書名:Unicode標準入門
Unicode標準入門

著者 Tony Graham 著/海老塚徹乾和志 訳/関口正裕
出版社 翔泳社
ISBN 978-4-7981-0030-2
発行日
2001年5月30日
価格 4,104円
(本体3,800円+税)
仕様 単色刷/B5変型判/456頁
分類 コンピュータ一般(技術書)

 皆さんご存知かどうかわかりませんが、「耳なし芳一2001」というお話がありましてね、途中は省きますが結末は……

  和尚さまは芳一の身体じゅうにありがたいお経を書きました。昔の教訓を生かして耳にも書きました。けれどもそれはUnicodeだったので、シフトJISにしか対応していない平家の亡霊に、芳一はやっぱり取り殺されてしまいました。

……という、哀れなお話であります。……いやまあその、私としてはこんな馬鹿話でもかましておかないと、文字コードの話に首突っ込むのは気が重いもんですから。

 まあそれでこの本。Unicode Standard 3.0という文字コード体系について、技術的な視点から解説した本です。著者のトニー・グラハムさんは、かつて日本で各国語のテキストデータを取り扱う仕事をしたことから文字コードに関心を持ち、Unicodeコンソーシアムの専門家会員。一方、監修者の関口正裕さんはUnixでの日本語処理に携わり、やはり文字コードなどの国際化標準化活動に参加しておられる方で、きわめて丁寧かつ気合の入った注釈を付けておられます。原著執筆後の最新情報、アメリカ人の著者と日本人の読者のギャップを埋めるための注釈、そしてさらに、監修者として著者と見解の異なる点など。ちょっと話がそれますが、この関口さんの監修ぶりがこの本の見どころですよ。監修はかくあるべし、業界の人にはぜひ見習っていただきたいです。

 話を戻して内容ですが、Unicodeの生い立ちと概要/コード化のしくみなど規格の詳細/各ソフトウェアの対応状況などという3部構成に、付録として文字ブロックの解説や関連リソースや、日本語文字関連と3.1に関する追記など。
 あくまで技術的な視点に立っていて、「文字コードが文化を破壊する」とやらゆー泥沼話には踏み込んでいないので、助かります。
 冒頭、Unicodeが生まれてきた経緯の中で、要するにソフトウェアのローカリゼーション作業を軽減するために文字コード体系を統一的に定めるのだ、という説明があるんですがね、これは私には「目からウロコ」、なるほどそういう狙いがあるなら、全世界の文字体系を統合しようという力まかせの大わざも暴挙とは言えないね。なんかやっと、前向きに文字コードの本を読んで理解しようという気が起きました。

 ああそういえば、「耳なし芳一2002」というお話を思い出したんですが、……もういいですか。じ



書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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