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更新日:2009年9月30日

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書名:コンピュータの名著・古典100冊 改訂新版
コンピュータの名著・古典100冊 改訂新版

著者 石田晴久 編著/青山幹雄安達淳塩田紳二山田伸一郎
出版社 インプレスコミュニケーションズ
ISBN 978-4-8443-2304-4
発行日
2006年9月22日
価格 1,728円
(本体1,600円+税)
仕様 単色刷/A5判/272頁
分類 コンピュータ一般(教養・読物)
 さて、これが最後のブックレビューです。
 2000年の春以来、9年半にわたり477点の本を取り上げてレビューを書かせていただきました。レビューはけして「名著」を追うべきものではないと思っていますし、実際、名著にほど遠い本も多数取り上げてきましたが、やはり締めくくりとしては、いささか古いながら、この本を取り上げることにしました。

 実は、この本が改訂される前の旧版を5年前にレビューしています(→こちら)。ちょっと読み返してみたのですが、「名著」について私が言いたいことは、元編集者としての思い上がりや負け惜しみも含めて、その当時とほとんど変わっていませんでした。
 さらにいうと、この本自体もあまり変わっていません。「インターネット」という区分ができた、コラムが新しくなった、6つの分野について「名著を読むためにはまずこの10冊から」と本文とはまた別のセレクションが付いた、と細々した変更はありますが、とにかく名著100点のセレクションが変わっていません。

 変わっていないので、この本について改めて言うことは特にないのですが、……んー、特にないというのは、やはりもともと「名著」に関心がないから、でしょうね。
 私の関心は「名著」よりも「いい本」に向いています。「いい本」というのはつまり、読んで役に立ち、かつ読みやすい、つまり読むための労力が小さい本。編集者だった私が作ろうとしていたのはそういう本でした。
 どういう内容を盛り込むと役に立つか、どういう文章・紙面だと読みやすいか、それは極端にいえば読者一人一人で違います。だから私が本を企画するうえでまず最初にしたことは、読者を想定することでした。とりあえず身近な誰かの顔を想い浮かべて、その人が読みそうな本を考えてみる。どっちにしようか迷うことがあったら、その人が喜びそうなほうはどっちか考えてみる。

 パソコンの本は一時期、そういう心遣いをしなくても売れていく時期がありました。読者一人一人を意識するより、手早く売れ筋に乗っかるほうが有効だった時期がありました。でも、そういう時期はもう終わっている。世の人々にとってパソコンの本の必要性は薄れているし、これから先も、パソコンの本を買ってくれる人はますます減っていくに違いありません。

 読者の顔を想い浮かべましょう。その人が喜びそうな本を作りましょう。
 これから先、パソコンの本に必要なのはそれだろうと、私は思うのです。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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