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更新日:2006年3月29日

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書名:アイデア・ドローイング
アイデア・ドローイング

著者 中村純生千徳英一
出版社 共立出版
ISBN 978-4-320-07161-2
発行日
2006年3月10日
価格 1,944円
(本体1,800円+税)
仕様 B5判/112頁
分類 その他
 私の主な仕事はプログラマ向けの技術ドキュメントをまとめることです。プログラマが書いた元資料を読み解き整理し、不足を指摘しつじつまの合わないところを聞きただし、文章を整え説明図を描き足して、社外のプログラマに技術情報を的確に伝えられるようにする、そういう仕事をしています。
 職種として言うとテクニカルライターとかいうことになるのですが、しかし実際のところ、ライティングと同じくらい重要なのはドローイング。データフローとかソフトウェアの構造とか、実体のない概念的なことがらを説明するためには図を描くのが絶対的に有効な方法であるわけで、わざわざ隣の学部まで行って勉強した図学製図のスキルがおおいに役立っています。

 この本で取り上げているドローイングは、一言で言うと「工業デザインのラフ」、立体物の形状や構造を的確に伝える図をフリーハンドで描くというものです。頭の中で思い描いている立体をその場で紙のうえに描き出すスキルを身に付けておけばアイディアや基本設計の段階でおおいに役に立つ、発想を図で伝えるコミュニケーションツールつまり一種の言語として身に付けよう、言語なのだから基本ルールに沿って他人に伝えられているかどうか意識しながら練習すれば誰でも確実に身に付けることができるのだ、というのが著者の主張。この主張を下敷きにして、空間位置の表現・基本的な形状・陰影・組み合わせ形状・身近な製品、そして「発想を図で伝える」と、7ステップに分けて練習帳というかドリルブックみたいな構成でまとめてあります。

 ふうむ、機械製図の科目の副読本ないし補講用テキスト、という感じかな。説明や解説は少ないけど例題や作例は十分載っているから、独習もできないことはないと思います。要するに自分で描くことが大事なんだし。
 図学を学んだことのある私から見ると、こんなムツカシイこと言わなくてもいいのにと思うところも多々ありますが、逆に絵画的なイラストレーションを学んだ人が見ると、立体を表現する手法としてきっちり筋が通っているわけで、得られるものは大きいかもしれません。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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