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更新日:2006年3月18日

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書名:Illustrator 8・9・10・CS・CS2 バージョンブック
Illustrator 8・9・10・CS・CS2 バージョンブック

著者 HAL_岡達也NIWAKO
出版社 マイナビ
ISBN 978-4-8399-1895-8
発行日
2006年2月1日
価格 3,456円
(本体3,200円+税)
仕様 カラー/B5変型判/368頁
分類 アプリケーション(グラフィック:Illustrator)
 Illustratorというソフトほど、多くのバージョンが今も活躍しているソフトはないと思う。
 Illustratorは、印刷物の版下データ作成ソフトとして印刷会社やデザイン会社には必須のソフトだ。ただし、今も多くのバージョンがあるため、バージョンの違いによりデータが開かないという問題をさけるためにデータの受け渡しには十分注意が必要なのが現状だ。もし、印刷会社がバージョン8のIllustratorだったらそれに合わせる必要がある。なぜそんな事になったかといえば、それはバージョンアップによる機能強化が大きな要因だろう。今現行のバージョンはCS2(バージョン12)だが、このバージョンで追加されたストロークラインの位置指定は、決してCSでは操作できない、というようなソフトなのである。そんな機能強化で顕著だったのが8から9へのバージョンアップだった。ここではレイヤーの下位構造の追加やアピアランス機能、透明機能など多くの際立ったバージョンアップがなされたが、それら機能を使ったデータをバージョン8用に書き出しても、正しく表示される事は出来なかった。印刷会社の印刷機もそれに対応できず、バージョン8をそのまま使用するという選択を選ぶしかなかった。そこへMacのOSXへの移行など色々な要因が複雑に絡み合い、バージョン8がそのまま生き残る結果になったように思う。
 しかし、そのIllustratorのバージョンアップは、決して悪いものではなかった。操作を簡単にし、表現を豊かにした部分は素直に認めるべきだろう。Illustratorを扱う時に必要な心構えは、常に下位バージョンを意識しながら使うべきという事。ただ初めて触るIllustratorがCSだったりした時、下位バージョンで表示できる機能は分からないものだ。そこで、本書のようなIllustratorバージョンブックが必要になってくる。
 それにしてもIllustratorのように多くのバージョンが現行でありながら、このようなバージョンによる機能の違いをまとめた本が今まで出版されなかった事が不思議でならない。今デザインを習っている学生などは、心待ちにしていたのではないだろうか。もちろん本書は、Illustratorの基礎やツールの使い方、そして具体的な作例などを取り上げて、Illustratorの解説書としてもしっかりしている。が、やはり各バージョンの強化された機能紹介は、これからデザイナーを志す人に必要不可欠な情報だといえるだろう。是非本書でIllustratorの奥深さとこのIllustratorの取り巻く環境の複雑さに触れていただきたい。きっとこの今の環境は、これからもまだ続いていくと思うから。


書評者: YAS <関西地区某パソコンショップ バイヤー>

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