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更新日:2005年8月31日

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書名:「分解!」 家電品を分解してみると!
「分解!」 家電品を分解してみると!

著者 藤瀧和弘
出版社 技術評論社
ISBN 978-4-7741-2347-9
発行日
2005年5月18日
価格 1,814円
(本体1,680円+税)
仕様 カラー/AB判/127頁
分類 その他
 このあいだ、長いこと使っていなかった古いスキャナを分解しました。まだ完全に動くはずなのだけど、つなぐ相手もなくなってしまったし置いておくスペースもなくなって、処分せざるを得なくなったのです。
 まだ動くのに使いみちのなくなった機械は哀れというかなんというか、とにかく、まだ生きている物を捨てるのは、私としてはとても胸が痛みます。せめて供養のつもりで、そういう機械は分解してから捨てることにしています。

 分解してみると、思いもよらないような部品の山になりますね、たいてい。
 スキャナのときは、ムーブメントを支えるアルミのレールががっしりしていたのが印象的でした。コンパクトカメラを分解したときは、ネジや歯車が山ほど出てきたことと、デート機構に豆球や極小プリズムで光路が組んであったのに驚きました。
 生前の機能や動きかたと思い合わせてみると、よく考えられた無駄のないつくりに感心することもあり、意外に単純なつくりに拍子抜けすることもあり、異常に手の込んだつくりをいぶかしんだりすることもあります。さらに小型化低価格化が進んだ最近の製品はどこがどうなっているのか、想像するとまた面白いです。

 この本では、洗濯機・掃除機・炊飯器・電子レンジ・石油ファンヒーター・アイロンなどの生活家電品を分解して見せています。一般の人にも親しみやすくわかりやすい物を取り上げようという企画方針なのでしょうけれど、私としては、ちとデカすぎというか「機械的な密度」が薄くて物足りない気もします。
 それと、しくみがわかる必要はないと思います。わかるに越したことはないけど、何もわからないままでもいい。人間の英知の結晶に触れることなのですから、日蝕やオーロラや、雄大なフィヨルドや、生命の誕生や、大自然の神秘に触れるのと同じ、なにかひとつ感動が残ればいい。機械を分解してみる意味はまずそこにあるのだと思います。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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