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更新日:2003年12月24日

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書名:植物知識
植物知識

著者 牧野富太郎
出版社 講談社
ISBN 978-4-06-158529-4
発行日
1981年2月10日
価格 540円
(本体500円+税)
仕様 A6判/120頁
分類 その他
先日紹介した『園芸家12カ月』はチェコの園芸オタクの本だったわけですが、今度は、日本の誇るべき植物オタク、牧野富太郎博士のご本であります。

牧野博士という人は、日本の植物学の草分けとして質量ともに瞠目すべき業績を上げながらそれに見合う地位をなかなか得られなかった不遇の人だとよく言われます。ですが、私はこの本を読んで、あーなるほどこれじゃしかたなかろ、と思いました。

要するに、こういう人が身近にいたらイヤだなあと、そんな気がするんですよ。
民謡にある「あやめ」は間違っているとか、スミレに菫の字をあてて平気でいるとはなんともおめでたいことだとか、ユリは百合ではないから百合子という名前はユリ子と書けとか、ヒマワリの花が陽に向いて回らないことぐらい1日見てればすぐわかるじゃろうにオロカモノめ、みたいな……なんというかな、世間の人々をみんなバカと決め付けるような言いかたなんです。そいでもってさらに、「はじめてその誤りを摘発したのは私である」とくるんだ。
こういう人、まあ私も数人思い当たりますけどね、いくら能力があったって評価されませんよ。てゆうか、周りの人とギスギスしてたら結局のところ仕事は進まない、役に立たないんだから低い評価が妥当です。

しかし、文章から受ける印象は上記のとおりなんですが、どうも、牧野博士がほんとにそういう人だったのか、よくわからなくなりました。牧野博士に教えを受けた伊藤さんという方が、序文・跋文で当時の思い出など綴られています。それを読むと、人物像がだいぶ、いやぜんぜん違うんですよね。
植物学への熱い想い、その普及啓蒙にかけた情熱、地位や金銭に対する無欲、無頓着。

……あれ。これって、つまりやっぱりオタクじゃん……。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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