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更新日:2003年2月28日

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書名:あしたの経済学
あしたの経済学

著者 竹中平蔵
出版社 幻冬舎
ISBN 978-4-344-90043-1
発行日
2003年1月30日
価格 1,404円
(本体1,300円+税)
仕様 A5判
分類 その他
 小泉内閣が誕生した時、組閣で一番嬉しかったのはこの竹中平蔵さんが、「経済財政政策担当大臣」に任命された事だった。今はあの「儲かります」発言で謝罪したり、不良債権問題で大手銀行のトップからボロカスに言われたり大変な思いをしている竹中大臣だが、それでも私は彼の仕事に大きな期待を寄せている。
 もともと慶応大学教授だった竹中さんを知ったのは、1冊の本との出会いからだった。その本は最近文庫化されているので知っている人もいると思うが、CMクリエイター佐藤雅彦さん(だんご3兄弟の作者)との対談集「経済ってそういうことだったのか会議」である。この本を手に取ったのは、私が佐藤さんのファンという事以外の理由に、本書で語られている竹中さんの言葉に、佐藤さん同様少なからず感動を覚えたからだ。それは「エコノミクス(経済学)という言葉は、ギリシャ語のオイコノミコスから来てるんです。オイコノミコスの意味は共同体のあり方という意味です」というものだった。その当時の私は経済学には全然興味がなかった。人の手で作られる物、法律や経済、言葉等は不完全で、自然界にとっては不必要な物、人の手で作り出された物は人の手によって壊される物、そんな物を勉強して何になるのだろうという気持ちが大きかったからだ。しかしその竹中さんの言葉は、経済学は今、いや未来の人間達を幸せへ導こうという学問だという事を教えてくれた。経済は、みんなを幸せにするために存在しているのだと。

 私はその対談集「経済ってそういうことだったのか会議」を何度も読み返し、ある程度経済についてわかるようになってきた。更に本書の前作にあたる「竹中教授のみんなの経済学」(幻冬舎)という本では、一つの家族が登場し、その人物にあった経済の現状、問題を解説しているが、これも本当に分かり易く語ってくれている。この2冊ですっかり竹中さんのファンになり、そこへ「経済財政政策担当大臣」の就任があったので尚更彼の仕事に大きな関心を寄せていた。
 そして、大臣となって初めて出版された本書「あしたの経済学 改革は必ず日本を再生させる」は、「竹中教授のみんなの経済学」の続編にあたる一冊だが、前作とはだいぶ内容が変り、現在の日本経済を語りながら今彼が手掛けている政策について語られた内容になっている。今の日本のデフレ経済や、不良債権問題は、世界でも前例がない問題なので、これから彼の行う政策が正しいかどうかは分からないものの、「打ち出の小槌のような政策はないのです。地に足をつけ、しっかりと日本の経済の現実を見つめて政策議論しなければならないと問題は先送りされ、結局は国民自身が大きな被害を受ける事になってしまいます」という彼の言葉の通り、今国民一人一人が真剣に考え議論する事が必要になってきている。それこそが本当のオイコノミコス(共同体のあり方)だと思う。そんな事を考えさせられた一冊である。今の日本経済の現状をしりたいのなら、読むべき本といえるだろう。


書評者: YAS <関西地区某パソコンショップ バイヤー>

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