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更新日:2002年7月26日

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書名:寺田克也 ペインタボン!
寺田克也 ペインタボン!

著者 寺田克也
出版社 ラピュータ
ISBN 978-4-947752-22-2
発行日
2002年7月11日
価格 3,132円
(本体2,900円+税)
仕様 カラー/単色/B5変型判/192頁
分類 アプリケーション(グラフィック:その他)
 この本に関しては、かなり前から期待していた。というより、心待ちにしていたというべきか。少なくとも今回のレビューだけは、客観的に書けそうもない。それだけこの本には多くの魅力がつまっているのである。
 さて、何故そこまでこの本を心待ちしていたのかというと、それは著書の寺田克也氏の作品との出会った1年半前に遡らなければならない。作品は「BLOOD THE LAST VAMPIRE」というアニメーション映画で、偶然にも友人に誘われて見たものだった。そこで著者の寺田氏は、キャラクターデザインとして参加していた。ストーリーも面白かったが、私はそこに登場するキャラクターに大いに魅了された。そう寺田氏が生んだキャラクター達に、大いにときめいたのである。それから彼の数々の本を買い漁ったものだ。そして最近になってタブレットで絵(『Painter』で)を描くようになり、いろいろな解説本を見るうちに、寺田氏の絵殆どが『Painter』で仕上げている事を知った。その時は結構驚いたと思う。あの何度も重ねられて生み出されたような深い色、あれが『Painter』で表現出来る事に素直に驚いた。また、どうのように仕上げているのかとても知りたくなった。そんな時、この本が発売される事を知ったのだ。そう本書は、その欲求を満たしている、寺田流『Painter』の使い方を凝縮した本なのである。
 その本書、心待ちにしただけの事はあって、内容は期待を裏切らない素晴らしい出来栄えである。本当に『Painter』の本として製作されたのだが、著者の寺田氏の意向を汲み取り、難しい解説は一切なしの、絵が仕上がっていく過程をひたすらキャプチャーしただけという内容に仕上がっている。だから、「ここの色は、R20〜」という記述もないし、「ブラシサイズ、20で〜」という記述もない。『Painter』の機能を解説した所は一切ないのである。だが、一つの絵がどのように色を重ねられ、調節されていく過程を見ていると、不思議に自分でも描けそうになるから不思議だ。前半にある寺田氏の幼児時の絵や、大友克洋氏(マンガ「アキラ」の作者)による対談で、本当に絵を描くのが好きな寺田氏の姿が浮かび上がってくる本書は、「絵が上手くなるには、絵を描くのが好きな事」と訴えている。寺田氏の絵が好きなら、是非持っておくべき一冊だろう。


書評者: YAS <関西地区某パソコンショップ バイヤー>

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