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更新日:2002年7月10日

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書名:プログラムはなぜ動くのか
プログラムはなぜ動くのか

著者 矢沢久雄 著/日経ソフトウエア
出版社 日経BPマーケティング
ISBN 978-4-8222-8101-4
発行日
2001年11月27日
価格 2,592円
(本体2,400円+税)
仕様 単色刷/A5判/295頁
分類 プログラミング(その他)
 もう半年ほど前に出た本なんですが、よく売れているみたいですね。紀伊國屋新宿南店さんなんかでは6面並べて平積みになっていて「驚異のベストセラー」とかいうポップがついていたりします。1冊手に取って見ると、2002年6月4日第12刷、なるほど売れているようです。

 ふむー、いやその私ね、この本が出た当初、いまいち、と思ったんですよ。「知っておきたいプログラミングの基礎知識」「10年後も通用する“基本”を身につけよう」、そして「プログラムの本質に触れてください。」と言うわりには、x86とAT互換機とWindowsという特定のハード+ソフトに囚われている。その環境に依存している特徴や単に過去の経緯や人為的な取り決めによってそうなっていることと、普遍的な原理や理論的なしくみとが、しっかり区別されていない。
 私には、プログラムの本質を捉えた本だとは思えませんでした。

 コペルニクスといえばわかりますよね、「我々のいるこの地球が中心」という先入観から解き放たれたから、人間の思考は宇宙の果てまで届くようになったのです。
 他の分野でもいっしょ、自分にとって普通である「これ」を見直すこと、「これ」も単に事例のひとつにすぎなくて特別・当然・根源ではないと考えること、それが人間の視野を広げてきたのです。

 表紙の一番上に、「How Program Works」って書いてありますよね。この本の内容は実はこれ、「プログラムはどう動いているのか」なんです。CやVisual Basicでプログラムを書いている人を対象に、そのプログラムがコンピュータの内部ではどうなっているのかを説明している。「どう動いているか」なんだから、真に普遍的な原理でなくても、特定のハード・ソフトに依存したことが書かれていても、とりあえずそれでよい、ということにはなりますね。

 ……結局、いまの人にとってコンピュータはすでにできあがっているもので、教えてもらうもので、自分で作ったり究明したりするものじゃない、ということなんだろうな……

 x86やAT互換機やWindowsという、目の前にある現実を知ることはもちろん大事、そのためにはこの本は役に立つでしょう。だけど、もしあなたが将来、機器制御やゲームやネットワークのプログラミングに携わる可能性が少しでもあるのなら、ここに書かれているのとはかなり違うコンピュータもあるのだということを、意識の隅に留めて読んでもらえるといいと思います。


書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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