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更新日:2001年2月7日

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書名:たて・ヨコ組版 自由自在
たて・ヨコ組版 自由自在

著者 小池和夫府川充男
出版社 グラフィック社
ISBN 978-4-7661-1199-6
発行日
2000年12月8日
価格 4,104円
(本体3,800円+税)
仕様 二色刷/B5判/159頁/CD-ROM 1枚
分類 アプリケーション(DTP)

 私は高校で芸術科目として美術を選択したんですけどね、最初の授業は講義で、先生が読み上げるなんだかの芸術論を書き取らされて、もちろんほとんど忘れてしまった中でひとつだけ「映画の看板は芸術かどうか」というくだりが記憶に残っています。どうもね、その後の私がしてきたことはいろいろあるけど公私とも「映画の看板」みたいだという点で共通しているようですよ。「地図は芸術か」「マラソンは芸術か」「女子高制服は芸術か」「ソフトウェアは芸術か」「アイドルは芸術か」「パソコンの本は芸術か、編集は芸術か、表紙デザインは芸術か」……

 と、そこで話を戻してこの本ですが。
 DTPの、芸術書なんですよ。主にQuarkXPressを使って和文組版を……組版というのは要するに文字をレイアウトすることです……、芸術として行う本。

 内容としては、和文活字書体の歴史や成立ち、いわゆる「森●外」問題みたいな文字コードと文字の形との問題が起こってくる背景、無い文字を作って使う手法、字間や行間の計算方法とQuarkXPressでの設定方法、築地電子活版の社内で使われている組版ルールなど、実に興味深いです。
 姿勢としては、「DTPソフトの使いかたよりもどういう紙面を作るかのほうが大事」「それが逆に注目され、文字組みのデザインセンスやポリシーが無いままDTPオペレーションのテクニックが先走り、結果、見るに耐えない紙面が大量生産されている現状」と、これは私がつねづね感じていてあちこちで書いてもいることで、つまり前書きで……

組版ソフトとディジタル・フォントを使いこなすための基本を解説し、あわせてこれまでの和文組版史への目配りを通じて「変わってはならないこと」、すなわち組版品位の所在をも示唆しようとする意図のもとに企画されました。

……というこの本と私は同じ方向を向いている、……はずなんだけどな、だけど私はついていけんです。

 私がこの本についていけないというのは、つまり組版に対する取り組みの濃さに差があるということ。私にとって組版はあくまで本創りの一部分であって、軽視はしてないけどやっぱ優先度はかなり下がるんだよな、そこに割く労力・注ぎ込む情熱には限度があり、著者の方々にはとうてい及びません。
 さらに加えて、その差を埋めるものがこの本には無い。無いんだな。著者らはあくまで著者



書評者: 塩見 真一 パソコンの本フォーラム

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